もの忘れ外来
(認知症外来、アルツハイマー病外来)

認知症を含む脳疾患は、医師の専門性のレベルによって治療成績は大きく変わり、症状の進行や改善度に大きな差が出ると言われております。
認知症については、進行を遅らせて日常生活を維持していくことが可能な病型もあれば、治すことのできる病型も多くあります。
認知症の方を的確に診断し、早期治療の道筋をつけることはとても大切です。
認知症が進行すると、ご家族をはじめとする介護者が、対応に困ることも多くなります。そのような際にも治療方針の見直しや生活面でのアドバイスを行うことも大切だと考えております。
当院の『ものわすれ外来』は、日本認知症学会の認知症専門医が、ご本人さまやご家族さまより直接状況や困りごとをお聞かせいただき、患者さまやご家族のご希望に合わせた治療のご提案や助言を行っております。患者さまの診察に十分な時間を確保するため、完全予約制とさせていただいております。認知症を疑わせる症状でお困りの方は、お電話にてご予約ください。
もの忘れが気になったら
年をとると、脳は徐々にその機能を落としていき、誰しも「物忘れ」が増えてきます。今まで普通にやれていたことが急にできなくなった、通い慣れているはずの道がわからなくなった、大切な約束を忘れてしまった、同じことを何度も聞いたりするようになったなどが起こります。こうした物忘れには、単なる加齢による場合(良性健忘)と、軽度認知障害(MCI)、また認知症の初期段階の場合とがあります。そして、いずれかを見極める診断が非常に大切になってきますので、ご自身やご家族に「物忘れ」が増えてきたと感じたら、認知症専門医をご受診なさるよう、お勧めいたします。
良性健忘
加齢にともなう年齢相応の「物忘れ」で、あまり心配ありません。
軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)
認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいるものの、日常生活には支障が無い状態のことで、健常者と認知症の人の中間段階(グレーゾーン)に位置します。
MCIを放置しておくと、認知機能が低下していき、5年間で約50%の人が認知症へと進行すると言われます。
いっぽう、軽度認知障害の段階で適切な治療を行うと、本格的な認知症の発症を防いだり遅らせたりできる場合があります。
MCIと診断されたら、早めに治療を受けるようにしましょう。
*当院では、軽度認知障害(MCI)の症状の進行を抑制する治療(レケンビ®、ケサンラ®)が可能です。
くわしくは こちら
認知症
認知症とは、それまで正常に働いていた脳の機能が低下し、記憶や思考への影響が見られる疾患です。認知症では、物事を記憶したり判断したりする能力や、時間や場所・人などを認識する能力が低下するため、実生活に支障が生じてきます。今まで普通にやれていたことが急にできなくなった、通い慣れていたはずの道がわからなくなった、同じことを何度も聞いたりするようになった――こうした「物忘れ」には、単なる加齢による場合と認知症の初期段階の場合とがありますので、一度、専門医療機関を受診なさるよう、お勧めいたします。
進行抑制が可能なもの
- アルツハイマー型認知症 ; 進行を抑制する治療ができます。 くわしくは こちら
- 脳血管性認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症 など
治すことが可能なもの
高齢者では特定のビタミンが正常下限値であっても認知機能が低下することがわかっています。
その他、慢性硬膜下血腫によるもの、さらには、実は、服用中のある種の薬剤が認知症を引き起こしていることもあり、その原因薬剤を特定して中止することで、元の脳機能へ回復することもあります。
- 甲状腺機能低下症
- 持続的なカルシウム低下を来す副甲状腺機能低下症
- クッシング症候群
- ビタミンB1欠乏症
- ウェルニッケ脳症
- ビタミンB12欠乏症 など
認知症の治療
認知症患者さまへの治療は単一的にはならず、治療方法は個人差がとても大きいです。また、お薬の服用が比較的効果が高いとされるために、長期間服用することが多いです。ところが、高齢者では腎機能や肝機能が低下していることが多いため、長期間の服用によって、お薬が腎臓や肝臓に負担をかけてしまったり、効果が増減したり、副作用が出やすくなったりしてしまいます。
このため表面的な症状だけでなく、腎機能や肝機能を考慮しながら治療をおこなっていく必要があります。服薬調整のさじ加減がとても難しく、治療には専門性が求められます。
いっぽう、症状が進むと身体機能も次第に低下して、食事中に誤嚥をして肺炎をおこしたり、転倒による骨折で寝たきりとなったりすることもあり、それらに対する予防に関しても重視する必要があります。
お薬以外の治療法としては、音楽療法、運動療法、光療法、アロマセラピー、鍼治療などがありますが、特に効果があるのは運動療法です。運動療法は認知症そのものを改善する以外にも、合併症の予防や睡眠の質にも良い影響があるので、積極的に行うことをおすすめします。
*アルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制する治療(レケンビ®、ケサンラ®)は、当院でも可能です。
くわしくは こちら
もの忘れ病外来は完全予約制です。
お電話にてご予約頂きますようお願いいたします。
042-443-1120
認知症スクリーニング検査(RDST)
まずはすぐにできる簡単なテストで、もの忘れの程度をはかってみましょう。
質問
問1
スーパー、又はコンビニエンスストアで売っているものを1分間で出来るだけ多く紙に書いて下さい。
問2
次の漢数字をアラビア数字に、アラビア数字を漢数字にして下さい。
- 209
- 4054
- 六百八十一
- 二千二十七
判定
問1
- 4個以下----- 0点。
- 5~7個 ----- 2点。
- 8~10個-----4点。
- 11~13個--- 6点。
- 14個以上----8点。
問2
正解1問につき1点としてください。
- 二百九
- 四千五十四
- 681
- 2027
結果
合計得点
第1問と第2問を合わせると、12点満点です。
8点以上
→ 認知症の可能性は低いです。
7点以下(5点~7点)の場合
→ 認知症の疑いがあります。
4点以下(0点~4点)の場合
→ 認知症の診察を受けることをお勧め致します。
ご心配な方は、いつでも当院の認知症専門医にご相談ください。
もの忘れ病外来は完全予約制です。
お電話にてご予約頂きますようお願いいたします。
042-443-1120